2005, 8/3

ある辺境に

双子の魔法使いがいました。

二人は代々優秀な魔法使いを輩出している家系に産まれました。

と、同時に

二人は一つずつ、欠点を持って産まれてきました。

姉は心臓に、妹は脳に、欠陥を持っていました。

両者共、血管が細く、壁が脆いという先天的な障害でした。

妹は元から大人しい性格でしたが、

障害の所為で後天的に話が出来なくなってしまいました。

そんな妹を気遣って、姉は心臓を患いながらも活発に振舞いました。

妹はそんな姉に感動し、姉の活き活きとした毎日を

そのうち絵として残すようになりました。

姉も妹の描いてくれる絵をいつも楽しみにしていました。


しかし、いつの日か、突然妹が姉の絵を描かなくなりました。

姉にその理由は分かりませんでしたが、他に変わったことは無かったので、

二人は今迄通りの一生懸命な暮らしを送っていました。

唯、妹が一人で何かしているのだけは姉は感づいていました。


そんなある日の朝。

いつもは起こしに来てくれる妹が今日はきません。

姉は不思議に思って妹の様子を見に行きました。

案の定、妹は安らかな寝顔を湛えていました。

姉はほっとして、そのまま妹を寝かせました。

妹はそのまま一日を寝続け

結局目を覚ますことはありませんでした。


姉は3日3晩泣き続けました。

妹はいわゆる植物状態、

原因は眠っている間の脳血管の破裂。

本人は気付くこともなかったろう、が専門の見解。


なんでもいい。

妹はもう二度とその瞳を開かない。

それにしても何て安らかな寝顔だろう。

きっと最後の晩はそれは楽しい夢を見ていたのだろうか。

今も――――見続けているのだろうか。


それから暫くして、姉は妹の私物の整理を始めた。

妹の部屋から次々と出てきたものは

大量の絵、全てが妹の自画像だった。

妹は姉の絵を描かなくなってから、自らの絵を描いていたのだった。

その表情はどれも美しい笑顔。だが今の妹の顔とは少し違っていた。

姉は知っていた。これはずっと昔、妹がまだ話せた頃。

二人ではしゃいで、笑っていられたあの時の笑顔。

妹は自分が一番幸せだった頃を覚えていたのだ。

そしてどの絵にも


"Thank you my sister.ありがとうおねえちゃん"

"I ♡ you.だいすきだよ"


姉は何も言えずにただ妹の部屋で嗚咽を漏らしていた。

そして丁度、妹が姉の絵を描かなくなった頃、

絶対に開けないでねと言われていた押入れに

姉は手を掛けようとしていた。

大切な物がしまってあるなら、私がそれを、守ってあげたい…。

姉は押入れを開けた―――。


そこには

一面の花畑と

小さな教会と

大きな十字架と

それに向かって歩いている妹の姿が

押入れの壁一面に描かれていた。

妹は一枚の壁画を描き上げていた。

―――妹は自分の死期を感じていた?


姉は遂に大声を上げて泣き崩れてしまった。

絵の中の妹はどこまでも幸せな顔をしていて。


姉はその晩、目を覚ました。

胸にある、嫌な感覚。

これが…妹にも?


10日後、姉は一つの決断を下した。

二人が一緒に生きて往く方法。

それは臓器移殖。

妹はあの日から変らず安らかな寝息を立てている。

頼るものは、自分の魔法唯一つ。

これの鍛錬だけはいつだって欠かしたことは無かった。妹と共に。

しかし、人体解剖、臓器摘出、移殖、縫合の魔法。

全てがぶっつけ本番だった。

私にできるのか…自分に流れる魔法の血に自問する。

やるしかない…我が家系の血、侮ってくれるな、

多少の問題なんて、神技で乗り切ってみせる!

妹は―――こんな身勝手な姉を許してくれるだろうか。

全てが自分の都合中心でしかない。

しかし、このままの二人に残された時間は僅かなものだった。

姉は遂に妹に術をかけた。

痛覚を麻痺させる魔法、続いて自らにもかける。

姉は妹の上着を脱がせた。

初めて見る妹の体、綺麗な肌、成長した肉体。

左手を妹の左手と繋ぎ、

妹の胸に置いた右手の指先に魔力を込める。

今ならできる、今私は一人じゃない。

ゆっくりと妹の胸を開いてゆく。

妹は身体の中も綺麗だった。

そして中核より拳大の心の臓が取り出された。

まるで宝石のような、ガーネットのような、石榴のような。

続いて自分の胸を開く番。

手順は丸っきり同じ。

作業中はまるで妹の身体を開いているかのようだった。

ただ唯一異なっていたのは取り出した自分の心臓が

それはそれは頼りなかった。


悠長なことはしていられない。

早く妹から賜った命の欠片を自らに繋ぎ止めないと

みるみる視界が霞んできた。

何しろ今自分には心臓が無い。

急いで自らに移殖を施す、焦燥感は無い。

視界が白くなるころにはなんとか開いた自分の胸まで縫合し終えていた。

事の終わりに、二人の身体に傷痕は一つも残らなかった。

二人の魔法は完璧だった。

術後の妹の顔は血の気が引いてしまっていたが未だ安らかな寝顔だった。

ただ、もう寝息を立ててはいなかった。




姉は妹の亡骸を家の伝えになぞり

幻葬した。

その晩。

姉は自分の内から妹の声が聞こえたような気がした。


"私だって死にたくなかった"







よしっ再び弾切れ!
しかし、なんだ、自分で書いといて、涙腺が…。
ちょっと姉と妹がごっちゃで分かり辛くなってしまいましたとも!
あらためて見返してみますと随分荒削りですけれども!



更新します。実は昨日頑張れば更新間に合ったかもしれなかったんですが
私のパッシブスキルチキンハートが発動したので今日の更新となりました('`;)

先日はちょっとした経済活動をしてまいりました。
といっても平たくいうと、唯単に夏コミのカタログと電撃大王、帝王を今更ながら買いにいっただけです_Λ○_

しかし、そこに到るまでにおぞましい出来事がありました。それは家を出る時、
いつか見た黒い麦藁帽子を被って靴箱から革靴を取り出したんですがその刹那、"もふっ"と謎の感触が…
"?"と思って手に取った革靴を見たら黴がビッシリ('ロ`|||)いみわかんね
最近湿気天国でしたからね…('`;)むしろネタで写真撮っておけばよかったと今更。

…で、帰ってきてカタログを見まして、随分東方系サークルが増えましたねぇ(゜゜)ゞと、同時に
総本山のお隣が某大型サークル様で吃驚致しました('ロ`|||)ありゃ周辺は超時空要塞ですわ。

大王は件の八房さんの漫画が凄く先が気になります!('ロ´;)
ムチュが!ムチュ死んじゃうの!??
帝王では相も変わらず遠藤さんが素晴らしい夢っぷりを発揮しておられました。
両作者様共、大好きであります。

あ、ちなみに帝王の前号あたりから連載の始ったヒツジさんの出てくる漫画、"SCAPE-GOD"でしたっけ。
あれも好きだったり。なんというか、初連載時からストーリーでびびびっときました。
今号では出だし部分が明らかなネタ満載でウケましたし(笑)


もー最近は夜が寝苦しくていけません('`|||)カラダもシーツもイイ感じにヒタヒタで…
緒中おもてに干してお風呂若しくはシャワーを欠かさずにはいられません…
お願いです扇風機さん、温風を掻き混ぜないで下され。






ということで本日の一枚と往きましょう。
前回のヒントの答えはこういう訳だったのでした。







〜次回予告!!〜

…というよりむしろ本当に
これで饂飩の受難は終わりです。

万が一、続くとすれば残るは
ファンタズムだけですね(笑)

さてさてどうしたものでしょう。
また何か続きモノを描こうか…
需要があればよろしいんですが。

…というか既に受難はうどんげからてるよに乗り移っちゃってますが(汗)
"完"の回で高らかに最終回〜とか宣言していましたが
元からここ迄は更新の範囲でしたすみませぬ(汗)


ど、どうしましょう、なんかこう、最後のコマを描いた辺りから
"てるよの受難"なるネタがもこもこ湧いてきたんですが('ロ´;)ゞ

今回魔理沙を入れてみましたのですが割と
霊夢、魔理沙達で漫画を描いても何か面白そうな感じがしました。

い、一枚絵ももっと描きたいのに…('ロ`|||)
…え、双方両立させて更新すればいいじゃまいかですって?
はははご冗談を('ワ`*)

そうなんですが既に暦は8月に入ってしまっておりまして。
私としてはこの辺でTop絵を何かしら描こうかと想っていましたので
何にせよ次はおおよそTop絵を描こうかなと想っているんですが。

でももしかしたら上手く事が運ばなくて焦燥に駆られ、
普通の更新をしだしちゃうかもしれません、なんて
そんな展開を望んでいるのは私だけでしょうか('ロ`|||)

はやく畑で採れる妄想群を現世に転換し切れる技術がほしいです…。


とりあえず饂飩総まとめということで全話分引っ張ってきておきます。
@ A B 番外 C D E F ('ロ´)オツカレ











――――――――――――<<ここで拍手のお返事と洒落込みます>>――――――――――――


>ガーターごときでどうにかなると思ったお前が甘いんだ
>今から俺はお前を殴るけど、それは俺が殴ったんじゃない
>おっぱいが殴ったんだ!これも!これも!おっぱいの分だあああ!!


_, ._
     (;゚ Д゚)
…!?



め、美鈴のおっ♡いでぶってもらえるんですk(美しい弾幕)

ちょっ、まっ
今…西行妖が開花しちゃうんじゃなかろうかという程の
春度が頭に供給されたんですが…。森羅結界発動!!!!



>毎度思うけど畑の人! 絵の四肢細いね|ー゜)b まぁ、私は嫌いぢゃないんだけど。
>ついでに、これ受け取ってくだしあ。
>ぅ「http://
■■■■■■■■■■■■■■■■■

⇒おおぉ、本当ですか('ロ`*)
特に前回の美鈴は今後の絵の方向性を検討しながら描きました。
あれぐらい四肢が細いと自分的に気持ちが良いです。

そして頂いたものなんですが大きな声でお礼を言いたいところなんですが、先ず
頂いたURLのリンク先がリンクフリーかどうかちょっと妖しかったので
URLの方を検閲してしまいました、すいません('`)余計でした?

ですがとても素晴らしい物を頂きました、ありがとうございます('ロ`*)
あの上海紅茶館は確か…最萌で橙の可愛いFLASHを投下されていた方の
作品にも使われていましたよね、好きな曲です('`*)
EasyはクリアできましたがHardはくぁwせrftgyふじこlp;@:「」でした('ロ`|||)

重ねて、ありがとうございました。永く、楽しませていただきます。たのしー



>これは良い中国代表ですね。いや、新体操みたいだなと思ったので。スレンダーでも可愛いよ!
⇒ややっ成程っそれは目の付け所が素晴らしいですね!
確かに体操よろしく運動選手の肉体は絵としてもかなり参考になります。
しかも種目競技によって筋肉とかの付き方やらまるっきり違っているので
結構目が離せません('_' )ゞ

スレンダーでも可愛いですよね!!1!('`*)
つか美鈴が中国代表だったら界隈の皆さんはそれはすごい盛り上がりになりそうですね(笑)
何気に会場に紅魔館組が応援に駆けつけたりして
TVの前の東方フリークスの皆様の頭は極上の幻想郷に(笑)



>ガーター美鈴キター!つか会話が!咲夜さんエロす!もういろいろ妄想しちゃうじゃないですか!(笑
⇒そうですよね!ぶっちゃけ私もドキドキでした('ロ´*)
いや、こう直球な反応が実はかなり嬉しかったり(笑)
私と波長が合えば、きっと貴方の頭も桃源郷に(*゜ワ゜)人(゜ワ゜*)

また隙をみて何か投下できればなと想っておりますヽ(´_')ゞ
うちの畑の春色沙汰は美鈴が引き受けた!?なんて
…私のさっきゅんのイメージは白のSと黒のMでs(どーでもよろしい)


なんだか前回の美鈴が好評(?)だったみたいで私も凄く嬉しいです('ロ`*)
あーゆうノリはやっぱり皆さん好きでしょうか、私は好きでした('`*)

――――――――――――<<オーバー!!>>――――――――――――




本日の一言二言ー。
あれですよ、いつの間にか文花帳の発売日確認の為も含めて
委託(?)店舗様方のサイトを回っていましたら、
件のホワイトキャンバス様のところにて購入特典情報が…(゜゜;)
何気に一昔前からやたら東方をプッシュしておられるような…。
私が購入特典とかそういう類の言葉に弱いというのを知っての諸行でしょうか!('*A`)
其の割に商品購入特典トレカとか手に入れませんでしたけど…(‐公‐`;)
なんというか…商品購入額と入手枚数が比例するのは極めてしたたかな商業戦略じゃないでしょうか('ロ`|||)

どうせなら東方カードダスとか!夢を見させてくだされー。


…本日は、以上で。




























そういえば

さる優秀な魔法使いの家系を次ぐ双子のことですが、

彼女等の家系では

裏の儀式の一つに、

母体に双子の魂が宿った時、

予め胎内の胎児に魔法をかけ

先天的に障害を持って産まれてこさせるという

狂気の儀式があったそうです。

勿論その目的は将来、

強い魔の血を引く二人の血筋を

一つにあわせる事で

より大きな魔力を持った存在とし

より偉大な血筋として後世に伝えていくのだそうです。

ちなみにあの家系の母体に双子の魂が混在する確立は

数世紀に一度、無いそうです。

こんな歴史を一体何年、そして

これからどれだけ伝えられてゆくのでしょうか。


今でもあの二人は元気に辺境の空を

飛んでいるそうです。

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